テクノロジーの進歩は、今までできなかったことをできるようにしてくれます。
けれども、その力を手に入れるには、お金の力が必要です。
昔は、新しいテクノロジーがとても魅力的だった反面、手に入れられるのは限られたお金持ちだけでした。やりたいことをやるためのハードルがとても高かった。
たとえば1964年の 東京オリンピック当時、家でテレビ観戦したいと思ったら、14インチの小さな画面でも、なんと大卒新入社員の年収以上が必要だったそうです!
世の中は、「やりたい事はたくさんあるけれどお金がぜんぜん足りない」という人たちで溢れているから、当然、お金持ちが憧れの的。みんなお金をたくさん稼ぐために、辛い仕事にも時間を惜しんで勤しみました。
けれどもテクノロジーのさらなる進歩は、やりたい事をやるためのハードルを下げてくれます。その上、社会全体が豊かになって、誰もがテクノロジーの力を手軽に手に入れられるようになった。今ではサブスクで一生かかっても見切れないコンテンツが見放題です!
その結果、今の日本では、お金をたくさん稼ぐために長時間働こうという人は減りました。お金の魅力が相対的に小さくなったということですよね。
それに、お金があっても時間を持て余して退屈している人もたくさんいる。お金の力で手に入る喜びの多くは、だんだんと飽きてくるものなのでしょう。あるいは逆に、もっともっととエスカレートして、多くを犠牲にするようになって行くのかもしれません。
もちろん、退屈している人とか、依存して苦しくなっている人に憧れる人はいませんよね。
みんなが憧れるのは、いつまでも熱中できることを持っていて、輝いていている人です。
「お金が足りなくてやりたいことができない」と不満が渦巻く社会なら、「やりたい事をできるようにする手段」に関心が集まる。みんなが幸せになるためには、その手段を効率的に生み出すことが重要になります。
でも、みんなの関心はもう、「やりたい事をどうやって見つけるか」の方に移っています。
そうなると、ハマる事って人によってまちまちだから、みんなが幸せになるためには、「やりたい事を生み出す仕掛け」を充実させることの方が重要。それがアイドルであれば「推したい気持ちを生み出す仕掛け」だし、企業であれば「貢献したい気持ちを生み出す仕掛け」とか「成長したい気持ちを生み出す仕掛け」になります。
これからはもっともっと「やりたいことを生み出す仕掛け」が充実したら嬉しいですよね!
そして「ありたい姿」が増えることも、その一つですね!