「根付職人・梶浦明日香の仕事論」より
https://next.rikunabi.com/journal/20181227_d11/
家にいる時はほとんど根付を彫っているんですが、一日中ずーっと彫っていても嫌にならず、むしろその時間が大好きで、気がついたら3、4時間経っているということもよくあるんです。それだけ集中して根付を彫ってる時間ってすごく幸せなんですよ。夢中で根付を彫っていくうちに、いつの間にか形になっていくというのがたまりません。
そして、江戸の昔からいろいろな職人が考え抜いて今に至っているものを受け継ぎ、守り、また未来へと繋いでいくという大きな歴史のうねりのバトンの一つに自分自身がなれるということが大きなやりがいで、すごく誇らしいです。
私たちは地球環境に負荷を与えることを知りながら、限りある資源にあれこれと手を加えて、ものを使って生活しています。
せめては、加工する作り手も、作り出されたものを使う使い手も、その価値を最大限に引き出して、ハピネスができるだけ大きくなるように関わり合いたいですよね！
でも残念なことに、自ら望んでいない人までもが、お金や別の目的のために、ものづくりに携わっているのが、今の実情です。
人にはそれぞれ向き不向きがあります。
例えば、歌うことに本当に向いた人がいて、その歌を聴きたいという人がいて、需要と供給がマッチして初めて、お互い感謝し合えるハッピーな関係が生まれます。
ものづくりも、本当に向いた人がいて、作りだされたものを使いたいという人がいて、需要と供給がマッチして初めて、お互い感謝し合えるハッピーな関係が生まれます。
ハッピーでない関係を無理に続けるのは、当事者にとって不幸なばかりでなく、限りある資源を無駄にする罪作りなこと。
ものづくりに携われる機会が本当にふさわしい人に行き渡って、算盤勘定や時間に追われることなく、夢やこだわりの追求に没頭できる、そんな社会へと変えてゆきたいですよね！！
