イノベーションに優れた企業は、人のつくったものは遅かれ早かれ、通常は早く陳腐化することを知っている。
―ピーター・ドラッカー 「マネジメント・フロンティア」より―
かつてのイノベーションは、モノの価値の陳腐化が中心でした。
技術革新によって機能の勝ったモノを作り出すことによって、既にある「モノの価値」を陳腐化させて、需要を掘り起こしてきたわけです。
けれども、技術革新もやがては費用対効果の壁につき当たります。
たとえば旅客機の最高飛行速度は、45年前から変わっていません。
モノの価値の陳腐化が、いろんな分野で限界に達してくると、「モノづくりからコトづくりへ」と盛んに言われるようになりました。
つまり今度は、魅力ある新しいコトを作り出すことによって、既にある「コトの価値」を陳腐化させて、需要を掘り起こそうというわけですね。
ロマンチックラブとか、人の作ったコトも、陳腐化のターゲットとなりますよね。
いずれにしたって経済を回していくためには、既存のいろんな秩序を、どんどん解体していくことが求められるわけです。
価値観がどんどんシフトしていく時代の中で、オロオロしちゃう古い人たちもいますよね。
でも、そんな時代を生きていくスキルって、新しい世代ほどちゃんと身に付けてきていると思います。
企業家とは、秩序を破壊し解体するものである。
企業家の責務は「創造的破壊」なのである。
-ピーター・ドラッカー 「イノベーションと企業家精神」より―