人間の長い歴史の大部分っていうのは、超越的な存在、超越的な力の前に恐れ慄いて生きて来た歴史だったのだと思います。
そんな人間も、自分たちの理性の力を信じることで、超越的な存在を脇に追いやろうとした。
理性によって世界のメカニズムを隅々まで明らかにして、理念によって自然の摂理を克服して、理想の秩序を築きあげようとしてきました。
「人間だけが・・」そういう言葉が繰り返されて、地球上で理性を持つ唯一の生き物として、その絶対性を自らに言いきかせてきたのでしょう。
それでもやっぱり、地球上の秩序って、理想からはなんだか遠ざかっているようにも見えるし、未来はますます不透明で・・、自らの引き起こす地球環境の変化の前に、人間の知性は無力にもみえます。
そうこうしているうちに、人間に見られる性質や行動の多くは、他の類人猿にも程度の差はあれ見られることが分かってきた。
先日テレビで、チンパンジーの「直観像記憶力」は、人間より高いって番組をやっていましたけど、人間の知的能力があらゆる面で、動物界のトップレベルってことでも無いんですよね。
それと人間の知性って、様々なバイアスに囚われて合理的な判断ができないことも、どんどん分かってきた。
これから、AIがバイアスフリーで合理的な判断をバンバン下してくれるようになれば、やがて、「人間って、劣った知性しか持っていないポンコツ生き物だなぁ」って言われるようになるんでしょうね。
そんなわけで、だんだんと人間はまた、劣った知性を持った存在として、謙虚に生きるようになってきているのかもしれませんね!