時代を超えて愛され続ける音楽や映画や絵画、
そうしたものたちに触れるたびに私の中には、
「時代が私たちに残してくれた貴重な遺産に感謝したい」
そんな思いが湧き上がってきます。
そこにあるのは「誰々が作った作品」というよりも、
「優れた感受性をもつ稀有なクリエイターの身体を通して、時代が産み落としていった作品」
そんなイメージなのだと感じます。
アーティストもしばしば「降りてきた」とう表現をされたりしますが、
自分の意思を越えて、何か見えない力に突き動かされた、
そんな感覚があるのではないでしょうか。
時代に足跡を刻む名作というのは、
時代が求めたニーズにぴたりと一致した作品であり、
その時代の空気をありありと伝えてくれます。
だからこそ時代を超えて愛されていくものなのでしょう。
佐村河内守作品も、そんな思いで聴いてみるのもいいかもしれませんね。
彼も時代の見えないニーズを、鋭敏な感受性で掬い上げた一人なのですから。